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ホームインスペクション重説とは

お知らせ

あなたにとって「中古住宅」ってどんなイメージでしょうか?

「どうせ家を買うなら、中古より新築の方がいいな」と思いませんか?

では、世界的に見て中古住宅の取引はどうなっているのでしょうか?

日本の中古住宅の取引は、他の先進国に比べると劇的に少ないんです。
日本の住宅流通の14%しかありません。

他の諸外国は、どれくらいの割合だと思いますか?
なんと、アメリカは90%、イギリスは71%、フランスは59%という割合です。

中古住宅流通シェアの国際比較/国土交通省
http://www.mlit.go.jp/common/001002572.pdf

どれだけ日本の中古住宅が「要らない存在」とされているか、がわかります。
だから、昨今のような放置された空き家が社会問題になってしまうのです。

「そういえば、近所に草ボウボウの空き家があるな」
と思った方、いませんか?
そうなる前に「中古住宅を安心し買ってもらおう!」というのが、今回の「ホームインスペクション」のポイントです。

1.「ホームインスペクション重説」の言葉の意味

「それっていったい、どういう意味?」
わからないときは、言葉をバラバラにして考えてみましょう。

「ホーム」は住宅ですが、この場合中古住宅を指します。
「インスペクション(inspection)」を辞書でひくと「視察、検査、点検、監視」という意味です。
「ホームインスペクション」で、「建物状況調査」「住宅診断」という意味になります。

「重説」とは、一瞬「重税(じゅうぜい)」と間違えそうになりますが、のぎへんじゃなくて、ごんべんです。
その違い、素人には一瞬分かりませんよね?
「重説」は、「不動産売買重要事項説明書」の略です。
不動産屋さんは「ホームインスペクション(建物状況調査)」の有無を「不動産売買重要事項説明書」の中で説明する「義務」が2018年4月から課されます。
ちなみに「不動産売買重要事項説明書」とは、不動産(この場合中古の建物)の取引の際に「この建物はどうなっているの?」をキチンと説明する書類で、新築でも中古でも必要です。

2.どんな法律で定められているの?

「宅地建物取引業法」で定められています。
「宅建」という言葉は良く知られています。
「宅建」、正式には「宅地建物取引士」の資格がある人はこの勉強をして試験を通った人です。
この「ホームインスペクション」の事は「宅地建物取引業法(宅建業法)の一部を改正する法律」略して「改正宅建法」の中で定められていて、2016年にすでに決まっています。
でも、実際の運用の取り決めの準備のため施行時期が決まっていなかったのです。
2018年4月1日から施行しますよ、という閣議決定があり、いよいよ2018年4月から実施の運びとなるわけです。

3.どんなことがわかるの?

その「ホームインスペクション」の具体的な内容はというと・・。

具体的な調査項目とその基準が決まっています。
下記URLのPDFを見ると、素人が読んでも「なるほど、そういうところを見る訳ね」ということがわかります。

既存住宅状況調査方法基準の解説 http://www.mlit.go.jp/common/001171265.pdf

例をあげると、木造住宅であれば「建物の基礎」の状態です。
床のゆがみ、具体的にはビー玉を転がしてコロコロ転がっていくような家なのかどうか?を判断するのは、目視、つまり目で見て判断するだけでなく、計測器を使って判断すること、という風に決めれられています。

他にも、雨漏りや、外壁の状態、柱が傾いていないか?

鉄筋コンクリート造の家についても、その判断基準が示されています。
(マンションも含まれます。)
コンクリートのヒビがどんな状態なのか?ヒビ割れたところから雨水が入って鉄筋がさびて「さび汁」が出ていないか?など細かく見ていきます。

ただ、この法律は中古住宅の状態を「保証」するものではなく、建物の「コンディション」を知ってもらうことが目的です。

中古住宅を買うときに、誰もが気になる
「あと何年くらい持ちそうか?」
「修繕する場合、いくら位かかりそうか?」
「欠陥住宅ではないか?」
ということを専門家が調べてジャッジしてくれるということです。
どんな状況か?が分からずに買うよりかは、安心して中古住宅を買うことができます。

4.どんな人が見てくれるの?

国土交通省が開く「既存住宅調査技術者講習」の受講者が見ることになります。

既存住宅現状調査技術者講習登録規程の開設
http://www.mlit.go.jp/common/001171263.pdf

対象は、建築士であることです。
建築士プラス、講習を受けた人がジャッジすることになります。

今のところ資格ではなく、講習制度です。
資格もありますが、民間資格だけです。

5.どんな風に中古住宅の売買が変わるの?

「ホームインスペクションの説明」が「義務化」されると、中古住宅の売買が具体的にどのようにかわるのでしょうか?
A.宅建業者(仲介する業者)が、買う人ホームインスペクションの業者を斡旋(あっせん)可否を提示

売る側や仲介する側(不動産屋さん)は「ホームインスペクション」のことを知っていても、買う側はほぼほぼ素人なので「何なのそれ?」というよりも、その存在すら知らないということが圧倒的多数です。
まずは「知ってもらうこと」が大事です。
媒介契約時に仲介する業者が、買う人に「ホームインスペクションっていうのがありますよ、その業者も紹介が出来ますよ、あるいは出来ないんですよ」という事を提示することになります。
B.「不動産売買重要事項説明書」に「ホームインスペクションの有無」記載が義務化されます。

「不動産売買重要事項説明書」、略して「重説」に「ホームインスペクション」を実施したかどうかを記載する事がマストになります。
買う側は、ホームインスペクションされていれば、「質」を確かめて住宅を買うことができます。
そして、「ホームインスペクション」の結果を踏まえて「既存住宅売買瑕疵保険」つまり、中古住宅に瑕疵があったときに保証する保険も併せて入ることもできます。
ちなみに、瑕疵(かし)とは、一般の人では分かり得ない欠陥に対して売主が責任を負うことです。
住宅の素人である買う側からすると、これは安心材料ですね。

C.上記2点を売主と買主のどちらもが確認すること
基礎や外壁などの状態を、売主/買主とも確認して、書面に残しておきます。
言った言わない、聞いた聞いてないのトラブルの防止になります。

6.「ホームインスペクション」は「実施」が義務化されるのではなく、「説明」が義務化される

中古住宅は、売る側も買う側もどちらも素人なので、なかなか個人間では難しく、仲介業者が間に入って取引されます。
仲介業者とは、よくある街の不動産屋さんですね。
不動産屋さんは、ホームインスペクションができる業者を斡旋(あっせん)できるかどうか?を、そしてホームインスペクションについてしっかり説明ができることが求められるようになります。

7.これを決めた国土交通省の目的は?

冒頭にもあるように、日本の中古住宅はなかなか売れません。
国土交通省は、2013年に4兆円だった中古住宅流通を、2025年に8兆円にする目標を掲げています。

専門家が住宅の状況を判断して、どれくらい持ちそうかを教えてくれる。
かつ、既存住宅売買瑕疵保険に入って、ホームインスペクションを実施した物件には、保険をかけて修理等の時に保険が下りるようにしますよ、という制度もつければ、中古住宅がもっと流通するのでは?してほしい!という国交省の願いがあるのです。

中古住宅も、最近はリノベーションして売り出すのが流行っています。
あの高橋一生さんも、都心の140㎡のリノベーションマンションを約二億円で買ったということが話題になっていました。

耐力的に問題のない中古住宅なら、その躯体(建物の構造を支えている基礎や柱や壁)をリユースして内装だけ変えて自分のお気に入りの空間を作ることもできます。
「ホームインスペクション」が普及すれば、空き家住宅問題も減少するかもしれません。

法律のことは「知っていれば得する」のに「知らないと損する」が、世の常です。
勉強して賢い消費者でありたいですね。

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